赤点をとってしまったら?原因・対策・親のサポートを徹底解説

「子どもが赤点をとってきた…どうすればいい?」そんな不安を感じている保護者の方は少なくありません。

赤点は決して珍しいことではありませんが、そのまま放置してしまうと、留年や進路への影響につながる場合もあります。大切なのは、慌てず冷静に原因を分析し、子どもと一緒に対策を立てること。

この記事では、赤点の定義・原因・勉強法・親のサポート方法を、教育アドバイザーの視点からわかりやすくお伝えします。お子さんの学習を立て直すヒントが、きっと見つかります。

目次

赤点とはどんな点数のこと?基準を正しく知ろう

「赤点」という言葉はよく耳にするものの、実際の基準を正確に知っている保護者は意外と少ないものです。学校や教科によって異なることもあり、まずは正しい知識を持つことが大切です。ここでは赤点の定義と、学校ごとの違いについて整理します。

赤点の一般的な定義

赤点とは、定期テストや実力テストなどで「進級・進学の基準を下回った点数」のことを指します。

多くの高校では、100点満点のテストで30点未満を赤点としています。ただし、学校によっては40点未満や50点未満を基準にしているケースもあります。

中学校では、絶対的な「赤点」という概念が薄く、成績評価は相対評価から絶対評価に移行しています。一方、高校では赤点が進級・卒業の可否に直結するため、特に注意が必要です。

また、同じ学校でも「単位制高校」と「学年制高校」では扱いが異なります。単位制の場合、赤点をとるとその科目の単位が取得できず、再履修が必要になることがあります。

学校・教科によって異なる赤点基準

赤点の基準は一律ではなく、学校ごとに独自の基準が設けられています。

学校の種類一般的な赤点の基準主な影響
公立高校(普通科)30点未満が多い追試・補講の対象になる
私立高校40〜50点未満の場合も補習・保護者面談が行われる
単位制高校授業への出席率も加味される単位未取得→再履修
専門学校・高専60点未満が赤点の場合も留年リスクが高まる

お子さんが通う学校の基準を、一度学校のプリントや生徒手帳で確認しておくことをおすすめします。基準を知ることで、「あと何点取ればよいか」という具体的な目標が見えてきます。

赤点と「成績不振」の違い

赤点は点数の基準であり、「成績不振」はより広い概念です。点数が赤点ラインを超えていても、以前より大幅に成績が下がっている場合は注意が必要です。

たとえば、以前は70点を取っていたのに今回40点だった場合、赤点ではないものの明らかに何かがつまずいているサインです。点数だけで判断せず、以前との変化にも目を向けることが大切です。

また、赤点が一度きりであれば対処可能ですが、複数教科・複数回にわたる場合は、学習習慣そのものを見直すタイミングかもしれません。

子どもが赤点をとってしまう主な原因

赤点には必ず原因があります。叱るだけでは問題は解決しません。原因を正確に把握することが、効果的なサポートへの第一歩です。子どもが赤点をとってしまう背景には、勉強法・生活習慣・精神的な要因など、さまざまな要素が絡み合っていることが多いです。

学習習慣が整っていない

赤点の最もよくある原因のひとつが、日々の学習習慣が身についていないことです。

高校の授業は中学校と比べて進度が速く、1日休んだだけでも大きく遅れてしまいます。毎日少しずつ復習する習慣がないと、テスト前になって「全然わからない」という状態に陥ります。

特に問題になりやすいのは以下のようなパターンです。

  • 授業を聞いているだけで、家では何もしない
  • テスト直前に一夜漬けをする習慣がある
  • ノートをとっているが、見直しをしていない
  • スマートフォンやゲームが勉強の時間を奪っている

上記はどれも「勉強しているつもり」になりやすい状態です。勉強の量よりも、定着しているかどうかが重要です。ノートを読み返すだけでなく、問題を解くなど「アウトプット」する時間を意識して設けるようにしましょう。

基礎の理解が不足している

特に数学・英語・物理・化学などの科目は、前の単元の理解が次の単元の土台になります。そのため、どこかでつまずいたまま進んでしまうと、後になるほど理解が追いつかなくなります。

たとえば数学では、中学3年の「二次方程式」が理解できていないと、高校1年の「二次関数」でつまずくことがほぼ確実です。英語も同様で、中学英語の文法が曖昧なまま高校英語に進むと、長文読解や英作文で大きくつまずきます。

赤点を取った場合は、今の教科書だけを見直すのではなく、どの時点から理解が止まっているかを確認することが根本解決につながります。

精神的・環境的なストレス

成績の低下には、学習面以外の問題が隠れていることもあります。

友人関係のトラブル、部活動の悩み、家庭環境の変化、睡眠不足など、精神的・身体的なストレスが勉強への集中力を奪っているケースは少なくありません。

こうした場合、いくら勉強方法を変えても効果は出にくいです。まず子どもの話をじっくり聞く時間を作ることが、解決への近道になります。

赤点を取ったあとに起こること〜進級・進路への影響

赤点を取ったからといって、すぐに留年になるわけではありません。しかし、赤点が続いたり複数の教科で取ってしまったりすると、学校生活や進路に影響が出てくることもあります。どんな影響があるのかを事前に知っておくことが大切です。

追試・補講の仕組み

多くの学校では、赤点をとった生徒に対して追試験(追試)や補講(補習)の機会が設けられています。

追試とは、赤点をとった生徒が再度受けるテストのことで、一定の点数をクリアすれば単位を取得できる仕組みになっています。追試で合格すれば、進級への影響を回避できることがほとんどです。

ただし、追試の内容は本試験と同様かそれ以上の難易度になることもあるため、しっかりとした準備が必要です。補講は授業時間外に行われる補足学習で、理解の定着を助けることが目的です。

留年・進級への影響

留年(原級留置)になるかどうかは、学校の規定によって異なります。一般的には、赤点の科目数や単位の未取得数が一定の基準を超えると留年となります。

たとえば、「年間で5単位以上未取得の場合は原級留置」と規定している高校もあります。1教科の赤点では留年にならなくても、複数教科で赤点を繰り返すと留年リスクが高まります。

留年は本人にとって精神的なダメージも大きいため、早期に対処することが重要です。

大学・専門学校への進学への影響

赤点そのものが直接的に大学入試に影響するわけではありませんが、成績(内申点)や評定平均値には影響します。

特に推薦入試・総合型選抜(AO入試)を希望する場合、評定平均が重要な選考基準になります。多くの大学では「評定平均4.0以上」などの条件を設けているため、赤点が続くと推薦を受けられなくなる可能性があります。

また、国公立大学の一般入試でも、調査書(内申書)が提出されます。成績の落ち込みが続くと、合否判定に影響する場合があります。

赤点から脱出するための効果的な勉強法

赤点をとってしまったとしても、正しい勉強法に切り替えれば必ず状況は変えられます。ここでは、実際に多くの生徒が試して効果を感じた勉強法を、教科別・段階別に紹介します。焦らず、まず一歩から始めることが大切です。

教科別・つまずきポイントの特定方法

勉強を始める前に、まず「どこで点数を落としているか」を明確にすることが最優先です。

テストを返却されたら、以下の観点で分析してみましょう。

  • 計算ミスなどのケアレスミスか、理解不足による誤答か
  • どの単元・範囲で失点しているか
  • 記述問題と選択問題、どちらで落としているか
  • 時間切れによる未答があるか

この分析をすることで、「全部やり直す」のではなく、弱点に絞って効率よく学習を進めることができます。特に試験前の限られた時間では、この優先順位付けが合否を分ける重要なポイントになります。

国語・英語の対策法

国語で赤点をとるケースの多くは、現代文の読解問題での失点です。文章を感覚で読むのではなく、「傍線部の前後を読む」「接続詞に注目する」「設問の指示語を確認する」といった読み方のルールを習得することが大切です。

学校採用の問題集のほか、『現代文読解力の開発講座』(駿台文庫)などは基礎から読解の技術を学ぶのに適しています。

英語では、まず中学英語の文法を固めることが先決です。『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』(学研プラス)などを使い、品詞・時制・文型の基礎から見直しましょう。その後、学校の教科書の本文を音読し、単語と文法を同時に定着させるのが効果的です。

数学・理科の対策法

数学は「積み上げ型」の教科なので、現在の単元でつまずいている場合は一つ前の単元に戻ることが鉄則です。

たとえば高校1年の「二次方程式の応用」でつまずいているなら、まず「二次方程式の解法(因数分解・解の公式)」に戻って確認します。問題を解く際は、正解するかどうかより「なぜその式になるのか」を声に出して説明できるかどうかを意識しましょう。

理科(物理・化学)も同様に、公式の丸暗記ではなく「なぜその式が成り立つか」を理解することが赤点脱出への近道です。『宇宙一わかりやすい高校物理(学研プラス)』などのビジュアル系参考書は、視覚的に理解しやすく初学者にも取り組みやすいです。

塾・家庭教師・学習サービスを活用する方法

自宅での自習だけでは限界を感じるときは、外部のサポートを活用することも大切な選択肢のひとつです。塾や家庭教師は、お子さんの状況に合わせた個別サポートが受けられます。どんな選択肢があるのかを知った上で、家庭に合ったものを選びましょう。

個別指導塾の選び方

赤点対策に塾を検討するなら、集団授業よりも個別指導の塾が適しています。理解度に合わせてペースを調節でき、苦手な単元に集中して取り組めるためです。

個別指導塾として全国展開している例としては、以下があります。

  • 個別教室のトライ:マンツーマン指導が基本。定期テスト対策コースあり
  • 明光義塾:週1〜2回から始めやすく、費用を抑えやすい
  • スタディサプリ(リクルート):オンラインで月額料金が安価、映像授業で自分のペースで学べる

塾選びの際は、「最初の面談・体験授業が丁寧かどうか」を重視してください。子どもの状況を正確に把握せずに授業を始める塾では、根本的な解決が難しいことがあります。体験授業を必ず受け、子ども自身が「わかりやすい」と感じるかを確認しましょう。

家庭教師という選択肢

家庭教師は、子どもが自宅で学べること・1対1で集中しやすいことが大きなメリットです。塾に通うのが難しい地域でも利用しやすく、曜日・時間も柔軟に設定できます。

特に赤点対策では、学校のテスト範囲に合わせて直接サポートしてもらえる点が魅力です。「家庭教師のトライ」や「家庭教師のノーバス」などは、全国対応で実績があります。

費用は個別塾と同程度か、講師によっては割高になることもあります。費用対効果を考える際は、授業料だけでなく「子どもに合うかどうか」を最優先にしましょう。

学校の先生・補習制度を活用する

実は見落とされがちですが、学校の先生に直接質問する・補習を積極的に活用することは、最も費用対効果が高いサポートのひとつです。

先生は学校のテスト範囲や出題傾向を最もよく知っています。授業後や放課後に質問に行くことで、「どこが重要か」「何を覚えるべきか」を直接聞けるメリットがあります。

子どもが「先生に聞きに行くのが恥ずかしい」と感じている場合は、保護者から担任の先生に相談し、個別に時間を設けてもらえないか問い合わせてみることも効果的です。

赤点をとった子どもへの親のサポート方法

子どもが赤点をとってきたとき、親としてどう向き合えばいいのか、悩む方も多いはずです。感情的に叱ったり、逆に見て見ぬふりをしたりしても、状況はなかなか改善しません。親のサポートのあり方が、子どもの立ち直りを大きく左右します。

まず「責める」より「話を聞く」

赤点の通知を受けたとき、多くの親はつい叱ってしまいます。しかし最初に責めてしまうと、子どもは「正直に話せない」と感じて心を閉ざしてしまいます。

まず大切なのは、落ち着いた状態で子どもの話を聞くことです。「なぜ点数が下がったと思う?」「授業で困っていることはある?」など、責める言葉ではなく問いかける言葉から始めてみてください。

子どもが「勉強が難しい」「授業がわからない」と感じているなら、それは解決できる問題です。まず子どもが「話してよかった」と感じられる環境を作ることが、すべての土台になります。

子どもと一緒に目標と計画を立てる

親が一方的に「次は80点以上を取れ」と言うだけでは、子どもの主体性は育ちません。子ども自身が「こうなりたい」と思える目標を一緒に設定することが大切です。

目標を立てる際のポイントは次の通りです。

  • 目標は「次のテストで赤点を脱出する」など具体的に設定する
  • 毎日の学習時間を決める(最初は30分でも十分)
  • 勉強する教科と単元を絞り込む
  • 親も一緒に進捗を確認する(チェックシートを作るのも有効)

小さな達成感を積み重ねることが、勉強への自信を取り戻す一番の近道です。最初から高い目標を掲げるより、「今週はこのページを終わらせる」という小さなゴールを設定し、それをクリアする体験を繰り返しましょう。

学校・担任との連携を取る

子どもが赤点をとった場合は、学校の担任の先生に早めに連絡を入れることが重要です。学校側も保護者が状況を把握し、積極的にサポートしようとしていることを知ることで、追試や補講について柔軟に対応してくれることがあります。

また、担任の先生から「授業中の様子」「提出物の状況」などを聞くことで、家庭では見えていない問題点を把握できることもあります。保護者と学校が連携することで、子どもも「見守られている」という安心感を得やすくなります。

赤点を繰り返さないための長期的な学習習慣の作り方

赤点対策は、テスト前だけの一時的な努力では根本的な解決になりません。日々の学習習慣を少しずつ整えることが、赤点を繰り返さないための最も確実な方法です。無理なく続けられる習慣を一緒に作り上げていきましょう。

毎日の「予習・復習」の習慣化

テストで点数を取るために最も効果的なのは、授業の当日に予習と復習をすることです。

特に復習は、授業を受けた当日にやることで記憶の定着率が大きく上がるとされています(エビングハウスの忘却曲線)。授業後15〜20分程度、ノートを見返すだけでも十分です。

予習は授業内容を事前に把握しておくことで、先生の説明がより理解しやすくなります。教科書の次のページをさっと読んでおくだけでも、授業への取り組み方が変わります。

スマートフォン・ゲームとの上手な付き合い方

現代の子どもたちにとって、スマートフォンやゲームは学習の最大の妨げのひとつになっています。

「使うな」と一方的に制限するより、「勉強が終わったら30分使える」などのルールを子どもと一緒に決めるほうが効果的です。子ども自身がルールを決めることで、守ろうとする意識が生まれます。

また、スマートフォンのスクリーンタイム機能(iPhoneならスクリーンタイム、Androidならデジタルウェルビーイング)を活用して、客観的に使用時間を把握するのも有効です。

子どもの「得意」を伸ばして自信をつける

赤点が続くと、子どもは勉強に対して「どうせ自分はできない」という学習性無力感を感じるようになることがあります。こうなると、勉強自体をやめてしまうリスクが高まります。

そこで大切なのが、苦手を直すと同時に、得意な教科・好きな単元を伸ばすことです。

たとえば数学が苦手でも、社会や美術が得意なら、そちらの成績をしっかりキープしつつ、数学は「赤点を脱出する」ことだけを当面の目標にするのも一つの方法です。得意な部分で「やればできる」という体験を積み重ねることが、全体的な学習意欲の向上につながります。

定期的に「目標の見直し」をする

学習習慣が定着してきたら、3ヶ月に一度くらいのペースで目標と勉強方法を見直すことをおすすめします。

成長に合わせて目標のレベルを少しずつ上げていくことで、子どもは「自分はちゃんと成長している」という実感を持てます。また、目指す進路(大学・専門学校・就職)が決まってきたら、そこから逆算して必要な教科・点数を考えることで学習のモチベーションも高まります。

【まとめ:赤点対策の流れ】

  • 赤点の基準を確認する(学校ごとに異なる)
  • 原因を特定する(学習習慣・基礎理解・環境)
  • 追試・補講の制度を積極的に活用する
  • 弱点を絞って効率よく勉強する
  • 必要に応じて塾・家庭教師を活用する
  • 親が子どもと一緒に計画を立て、見守る
  • 長期的な学習習慣を少しずつ育てる

赤点は「立て直し」のチャンスにできる

赤点をとったことは、確かにショックな出来事かもしれません。しかし、それは今の勉強方法や生活習慣を見直す大切なサインでもあります。

大切なのは、子どもを責めるのではなく、一緒に原因を探し、次のアクションを決めることです。親が焦って子どもに圧力をかけると、かえって逆効果になることもあります。

赤点は一時的なものです。正しいサポートと継続的な学習習慣があれば、必ず状況は変えられます。この記事を参考に、お子さんに合った対策を一歩ずつ進めていただければと思います。

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